会社組織とは①:理論編

大企業の歩き方

会社って何なんだろう?そう思ったことはありませんか?

同じような目的を達成したい2人以上が集まり、共通の目的に向かって活動するところに組織が生まれます。会社なら目的とは “社会に付加価値を提供し、利益を上げて持続すること”であり、そのためには経営が必要となります。

会社という組織でうまく立ち回ることができず辞めてしまった私ですが、その失敗体験を反省しつつ、組織とはどうあるべきか、診断士として経営支援していく上で重要な課題ですので、考えていきたいと思います。

経営理念と社風

どこの会社にも経営理念ってありますよね。経営理念とは、経営の規範となる考え方をいい、通常明文化されています。経営理念は不変で、経営理念に基づいて、経営ビジョンや経営計画など具体的な目標や行動予定が立てられます。

一方で、社風という言葉もよく聞きます。社風とは、組織文化・企業風土を指し、明文化されておらず、目に見えません。組織文化とは、構成メンバー間で共有された思考様式や行動規範を言い、企業風土とはその企業で感じられる雰囲気のことです。これらは社員間の日々のコミュニケーションを通じて形成されていきます。

組織論は進化してきた

組織のマネジメント法である組織論は、1900年頃から始まり進化してきました。組織論の現代に至るまでの変遷を辿りたいと思います。

①古典的管理論

最初の組織論として登場した古典的管理論は、労働者の作業量を科学的に研究して、1日の標準作業量を設定する、能率というマネジメント視点を確立しました。とにかく正確で無駄がないことが求められたわけです。そこから専門的な訓練を受けた人が規則に従って機械的に動く、官僚制組織こそ最も合理的な組織形態であると考えられました。

②人間関係論

古典的管理論は、労働者を機械と同一視していたため、人間的要素を考慮した人間関係論が重視されるようになりました。人間関係が大事だよねという考え方です。作業条件よりも人間関係によって労働者の生産能率が向上し、業務外のインフォーマル組織が持つ影響力(要は仲間意識)を管理する必要性が説かれました。

③近代組織論

人間関係論においても労働者は集団として捉えられており、個人と組織の関係を考え出したのが近代組織論です。組織成立の要素として ・組織の共通目的・個人の貢献意欲(やる気)・コミュニケーションが必要であり、組織が存続するかどうかは “共通目的の達成”と“個人の貢献意欲を満足度が上回ること”によって決まるとされました。

さらに、外部環境の状況に応じて望ましい組織の形は異なる、という考え方が出てきました。コンティンジェンシー理論と言われるこの考え方は、外部環境が安定している場合や大量生産方式は、官僚制組織が適しており、外部環境が不安定な場合や個別生産方式は、有機的管理システムが適していると結論づけました。

有機的管理システムとは、権限移譲が進んだ小さな集団を指し、良い組織は高い“分化”と“調整”が実現しているとされています。細かく分かれた部署が自由に動けている状態ですね。その一例が、組織内に期間限定で編成されるプロジェクトチームです。従来の機能別の縦割り組織に対して、特定の問題解決のために横串を刺して組織を活性化させる仕組みです。

会社組織で起こること

会社組織には様々な特徴がありますが、ここではコンフリクト、グループダイナミクス、組織学習に絞って紹介します。

①コンフリクト

コンフリクトは個人や組織間で発生する対立的・敵対的な関係のことです。部署同士や上司部下で意見がぶつかること、ありますよね。コンフリクトはコミュニケーション不足や利害の競合などを原因として必ず発生するものです。ただこれは管理の仕方によって、組織にとってプラスに働かせることができます。

対策として、専門機関の設置、上位者による裁定、人事交流、ホイッスルブロワー(内部告発者)の保護、官僚制の深度化など様々な方法で解消することが可能です。ただ、官僚制は過度に進めると、官僚制の逆機能が働き、かえってコンフリクトを強めることになるので注意が必要です。

②グループダイナミクス

グループダイナミクスとは、組織に働く力学のことです。組織メンバーが、互いに好感を持ち、引き付け合うことを集団凝集性と言いますが、集団凝集性が高い組織ほどメンバーへの同調圧力が強まります。また、集団凝集性の高い組織が高い業績目標を持つと総和以上の成果が期待できますが、低い目標を持つと総和以下に落ち込みます。これはグループシフトといって、組織による決定が個人の決定よりも慎重にもリスキーにも振れ幅が大きいことと関係しています。

さらに閉鎖的な環境にある凝集性の高い組織で、支配的なリーダーがいると、拙速な意思決定をしてしまうグループシンクに陥りやすくなります。強い意見に流されてしまうんですね。

③組織学習

組織は、次のようなサイクルを通じて学習を行います。

A:個人が考えが変わる→個人の行動を変化させる、B:個人の行動が変わる→組織の行動を変化させる、C:組織の行動が変わる→組織の業績を変化させる、D:組織の業績が変わる→個人の考えを変化させる、このサイクルを繰り返すことで、企業は成長していきます。しかし企業が安定的な段階になると、このサイクルを妨げる因子により、学習が不完全になることがあります。

A:役割制約的学習(個人がしたいことが組織に反対される)、B:傍観者的学習(個人が変わっても組織が変わらない)、C:迷信的学習(業績変化の要因の勘違い)D:曖昧さのもとでの学習(業績変化が正しく理解されない)

まとめ

中小企業診断士試験のお勉強みたいになってしまいましたが、ただの理論ではなく、私が会社員時代に経験したことがいくつも当てはまっています。皆さまも「そうこれこれ!」と思い当たることがあったのではないでしょうか?別の機会に私の実体験も交えて、組織の仕組み見直しや社員の立ち回り方について書いてみようと思います。