今回は中小企業診断士試験の合格体験記 第三弾です。ついに山場である二次試験の体験記を書いていこうと思います。厳密に言うと二次試験は筆記と口述がありますが、ここでは二次筆記試験のことを二次試験とします。ちなみに口述試験は合格率99%です。
中小企業診断士試験は、一次試験をクリアした猛者たちが鎬を削る「二次試験」こそ最大の関門であると言われています。私も確かにその通りだとは思いますが、一次試験が広範囲かつ暗記中心だったのに対し、二次試験は“思考力”が問われる分、前向きに取り組めました。
一次試験は3回目でようやく合格(私の合格体験記:一次試験編)しましたが、二次試験はその年(受験3年目)に初挑戦で合格することができました。たまたま運も味方したのかもしれませんが、一次よりは勉強中から「手応えがあるかも?」と感じながら(やや勘違い気味に)進めることができました。その秘訣を余すことなく披露したいと思います!(大袈裟)
二次試験の概要
二次試験は10月下旬頃に1日で実施されます。出題は「中小企業の診断および助言に関する実務」で、4つの事例(Ⅰ〜Ⅳ)から構成されています。事例Ⅰが「組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」、事例Ⅱが「マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」、事例Ⅲが「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」、事例Ⅳが「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」とされています(出典:令和5年度試験案内)。
各事例は80分。与件文(2,500〜3,000字)を読み、設問ごとに100〜150字程度で助言を記述します。事例Ⅳのみ計算問題が中心で、与件文に加え、財務諸表などが与えられます。
合格基準は、総点数の60%以上かつ40%未満の科目がないこととされていますが、二次試験の合格率は約20%弱でほぼ一定していることから、実は相対評価されていると言われています。毎年難易度は変わるのに合格率が一定ということは、絶対評価ではないと私も思います。それは何を意味するかというと、受験生が100人いればその20番以内に入らないと合格できないということです。改めて考えると厳しい試験ですね。二次に挑む受験生はその多くが必死に勉強していると考えると、合格するにはその中で上位を取るだけの勉強が必要になります。
私がした勉強法
他の受験生より一歩リードするための勉強方法は何か?これはネット上でも、過去問〇年分やれとか、この参考書をやるべき、とか様々な考え方がありますが、その人に合った勉強法があると思うので、これが正解!とは中々言えません。なので、ここでは私が実際にどう取り組んだのか率直にお話しします。
まず事例Ⅰ~Ⅲと事例Ⅳで勉強法は大きく分けました。事例Ⅰ~Ⅲは内容こそ違うものの問題構成は同じですが、事例Ⅳは全く異なります。多くの方も同じ考え方だと思いますが、合否を分けるのは事例Ⅳと考え、ⅣだけでⅠ~Ⅲと同じぐらいの勉強量をこなしました。具体的な内容は以下の通り。
・事例Ⅰ~Ⅲ:過去問9年分解く、過去4年分の回答写経、過去5年分の「ふぞろい」チェック、フレーズ集作成
・事例Ⅳ:過去問13年分解く、「全知全ノウ」3周、計算の解法まとめ
事例Ⅰ~Ⅲの勉強振返り
8年分の過去問は、二次を受けられなかった2年目に一通り解いており(Ⅳも含め勉強時間227時間)、10月末の二次本番に向けて、8月から回答の写経を開始しました。写経ノートに記載された日付を見ますと、8/8~9/24までやってました。結構時間かけてますね。写経は通信講座と市販参考書の二つの回答を並べて写していました。写経に効果あるの?と最初は半信半疑でしたが、想像以上に効果ありましたね。同じ設問でも二つの回答が全然違う場合もあり、設問要求の意図や、使える表現が自然と身に付きました。それと大きな副産物として、字がきれいになりました。私はお世辞にも字が上手ではないのですが、人が採点する記述は汚い字だと印象が悪くなると考え、写経を通じて字をきれいに書くことを意識しました。今写経ノートを見返しても、自分とは思えないぐらい丁寧な字だと思います。
「ふぞろい」については説明不要かもしれませんが、「ふぞろいな合格答案(答案分析)」という参考書で、多くの受験生が参考にしていると聞きます。何百人もの受験生の再現答案と得点の関係から、キーワードで採点基準を類推し、各問を分析されています。結論から言うと、私は肌に合いませんでした。確かにキーワードが採点基準という側面はあると思いますが、ワードを盛り盛りにするよりも、設問要求に正面から答える方が私にはしっくりきました。それと、問題解説する登場人物が有名人のパロディでユーモアを交えているのですが、私にはちょっとしんどいノリでした。とはいえ問題解説以外にも勉強方法やコラムなど役立つ情報満載で、参考になりました。
フレーズ集は、各事例のテーマごとに使えそうなフレーズを書き出して、暗記というより考え方を頭に入れました。二次試験はあくまでオーソドックスな経営助言が目的なので、例えば事例Ⅰの組織なら「権限を委譲して意思決定を迅速に」「プロジェクトチームで横串しを刺す」など定番のフレーズ集をまとめました。
最後にⅠ~Ⅲで大切なのは、80分という試験時間で、タイムスケジュールを含む「自分の型」を作ることです。与件文の導入→設問→SOに赤線WTに青線を引きながら与件文→事例企業の概略と時系列まとめ(ここまで30分)→各設問の時間割り振り、みたいな型でした。私は10月に入ってから、本番形式で過去問を解き、直前で何とか型ができました。それでも本番は時間ギリギリだったので、75分とか少し短い時間で解く練習をすることをお勧めします。
まとめ
ここまででかなり長くなってしまったので、いったん区切ります。事例Ⅰ~Ⅲは一次と違い、最低限の知識と使えるフレーズを頭に入れておけば、後は思考力勝負です。振り返ってみると、過去問を解くうちに自然と「50字・100字・150字の記述を書く力」が少しずつ身についていったのだと思います。問題を解く上で一番意識すべきは、設問要求が何か。どれだけキーワードを盛り込んでも聞かれていることに答えていなければ、点は伸びません。つまり、知識を頭に入れて、設問要求を意識しながら、過去問でアウトプットを繰り返す。このサイクルこそがⅠ~Ⅲの本質ではないかと思います。
次回は、合格の鍵「事例Ⅳ」と試験当日のリアルな体験をお伝えします。ここまで読んで頂きありがとうございます。

